ツーリングライダーのための宿泊施設バイクステーション。
日本最北端のバイクステーション稚内では、キャンプ場を併設。

バイクステーション稚内 ブログ
住 所
北海道稚内市声問4丁目27-4
TEL
0162-26-2167 (お問い合わせ専用)
営業期間
7月1日 ~ 9月30日
アクセス
国道238号沿い、潮見5交差点より東へ7km
稚内空港への交差点角 [MAP]

道東ツーリング(2)

2024/09/27 カテゴリ:

こんにちは。
バイクステーション稚内の安福です。
今回も道東ツーリングの続きのお話です

二日目の朝はちょっと曇り気味。まあ雨でなければオッケーです。
本日一発目はキャンプ場近くの「オシンコシンの滝」。

オシンコシンはアイヌ語で「川下にエゾマツが群生するところ」。日本の滝百選にも選ばれた雄大な滝ですが、国道沿いでアプローチは楽。

階段で滝のすぐそばまで迫れます。
さて、いよいよ知床の深部を目指します。まずは「知床自然センター」へ。

知床半島は真ん中から先端の岬までがそっくり国立公園化されており、世界自然遺産にも指定されています。その為、入る際のルールが厳しく管理されています。
知床の自然に触れたい方は必ずここを訪れましょう。観光スポットの情報収集、ツアーの申し込み等、国立公園巡りの作戦はここで立てられます。クマ用スプレーの貸し出しもあり。
館内は広々としてキレイ。朝早くでしたが大盛況で、半分くらいは外国からの方。若いスタッフが流暢な英語で案内しています。
特別展示で野鳥の羽毛標本が。事故等で亡くなった鳥の羽をこうやって残すそうです。

美しい鳴き声から「海のカナリア」と呼ばれるケイマフリ。知床半島に生息する絶滅危惧種。

オオアカゲラ。日本全土に分布するキツツキの一種。

スタッフの方にルートを教えてもらい、徒歩で「フレペの滝」を目指します。

「Bear  Country」というパワーワード。クマの国との国境です。
原生林の中ですが、歩道が整備されています。

到着。

滝の元となる川は存在しません。地下水が断崖の途中から染み出し、100m下のオホーツク海に向かってシトシトと流れ落ちて行きます。「乙女の涙」とも呼ばれているそうですが、まさに大地が涙しているよう。
センターに戻り、次は「カムイワッカの滝」で滝シリーズ3連発、と思ったのですが・・・。時間の都合で断念。
ちなみにカムイワッカの滝は、滝自体が温泉になっており、滝壺が露天風呂という珍しいスポット。行程に余裕のある方はぜひ行ってみて下さい。訪れるにはウェブ上での申し込みが必要ですが、当日予約も可能です。
次は「知床五湖」です。センターの方に教えてもらい、まずは「知床五湖フィールドハウス」に移動。

ここの受付で立入認定証を発行してもらい、別室で遊歩道に入る為のレクチャーを受けます。

食べ物は全て持ち込み禁止です。匂いをさせるとクマを呼んでしまいます。飲み物もお茶と水以外禁止。糖分が入っているだけでクマやハチが寄ってきてしまうそうです。
厳しいルールに感じますが、知床五湖では昨日まで4日連続でクマが目撃されているとの事。クマの記憶の中で人と食べ物が結びついてしまうと、繰り返し人のいる所にやってきてしまいます。詳しく知りたい方は「知床 クマ ソーセージ」で検索してみて下さい。
いよいよ遊歩道に。他の土地から植物の種子を持ち込まない為、ブラシで靴底を掃除します。

コースは二種類。五湖全て回れる大ループを選びます。

まずは五湖から。

倒木に出来たきのこ村。朽ち木を分解して土壌の栄養分に変えます。森の維持には欠かせない存在。

四湖。昨日はここでクマが水泳をしていたそう。

三湖。この辺りで段々と晴れてきました。

そこかしこにキツツキの開けた穴があります。

キツツキはあんなに激しく木をつついているのに、何で頭痛にならないの?っていうのは昔から議論の的らしいです。
頭蓋骨や嘴、舌の構造が衝撃を吸収する、とか色々言われているのですが、単に脳ミソが小さいからじゃないの?っていうのが一番の新説。小動物全般に脳震盪は起こしにくいそうです。
二湖。

センチコガネ。シカがいる場所には必ずいる甲虫で、糞や動物の死体を処理してくれます。

一湖。

ここからは全長800mの高架木道に入ります。
7000Vの電気柵が張り巡らされていて、クマの心配なしに通行できます。車椅子でもOK。

オホーツク海が見えてきました。

そろそろ終点です。

フィールドハウスに戻るとちょうどお昼でした。
ここにしか無いもの、という事でエゾシカバーガーを注文。
何だかうらめしそうな目線を感じつつ、実食。

パティ+レタス+マヨネーズ、のシンプルな構成。
思ったよりケモノ臭さは少なく、鼻の奥で少し感じる程度。脂肪分の少ないシカ肉に、マヨネーズがコクをチョイ足ししてくれて美味しく食べられます。
デザートはコケモモソフトで。

甘みをおさえたストロベリーに近く、バラのような上品な香りをほんの少し感じます。これもかなりイケる。
お土産も知床ならでは。

これにて知床国立公園の旅は終了。
最初は整備されすぎているなと感じたのですが、ここはクマの国。国境をはっきりと定め、入る人間にルールを教え、人と動物を干渉させない欧米的な自然保護を徹底しています。
人と自然の間に里山があって、ゆるく繋がっているのが日本人の好みらしいです。でも境界線があいまいだとツーリズムの波に浸食されていきますよね。他の観光地にもぜひ真似して欲しいです。
次に知床峠を越えて根室方面へ。

「知床峠展望台」に到着。

北方領土がものすごくハッキリと見えます。ここまで近いと思わなかった。

ゆっくり休憩したいのですが、風がメチャメチャ強い!バイクが倒れそう。
早々に峠を下りて、「羅臼国後展望台」に。

さっきよりも更に近く、国後島を真近に見る事ができます。中は北方領土問題の資料館になっています。

次は一気に移動します。根室海峡を左手に見ながらR335を南下。
「野付半島」に到着。日本最大の砂嘴(さし)として知られています。

砂嘴とは、海流により砂が堆積して作られた地形の事。オホーツク海に伸びる腕のような独特の地形で、道の両側から海が迫ります。

ひたすら半島の先を目指しますが、思ったより遠い!
途中にある「ナラワラ」。ミズナラの原始林が立ち枯れたまま海中から突き出しています。

駐車場に到着。ここから先は歩くか、と思っていた所、「トラクターバス最終便出ますよー」という女性の声。
はて、トラクターバス?
トラクターみたいな鼻先の長いバスかな?と思い、女性の後に付いていくと・・・。

トラクター+バス。まんまでした。
漢のフォード製5Lエンジン搭載。これで半島の先まで、ダートを突っ走ります。
中はこんな感じ。手作り感満載です。

乗り心地、とか語れるレベルじゃないです。戦争映画で見た兵員輸送車が近いかな。爆音とバスのきしむ音で会話もままならない。ぜひ動画で見せたかった。

でも同乗のおじさんおばさん達はおおはしゃぎです。バイク乗りなら分かると思いますが、古くてザツな乗り物って楽しい。

岬の先端近くに到着。ここからは歩きで。

段々と先が細くなっていきます。

「千と千尋」で見たな、こんな風景。

先端が見えてきました。

これが一番先の部分「トドワラ」。立ち枯れたトドマツの林です。

日没が近くなってきました。この世の果てを想像させる風景。
江戸時代から明治初期まで、この辺りには「キラク」という街があったそう。武家屋敷や遊郭まであり栄えていたとの事ですが、伝承のみで資料が残っておらず、幻の街と言われています。

夕日が沈むまで眺めていたかったのですが、バスに置いて行かれないように戻ります。

又シェイクされながら駐車場まで。

キタキツネがウロチョロしています。

いよいよ日が落ちます。夕日をバックに、シカの群れが食事中。

ここから本日の宿に向かいます。
根北峠を通って一気に斜里町に戻ったのですが、外灯も無く真っ暗。シカに激突しない様、スローペースで。
やっと到着。本日の宿は「クリオネキャンプ場」です。

モバイルテント、っていうらしいです。超コンパクトなキャビン。

この時期には珍しい位の冷え込み。近くに温泉があるのですが、朝入る事にして就寝。
これまでずっと海沿いでしたが、明日は釧路よりの内陸に入ります。

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